2003.6.29 Curtiss R3C-2と共に初飛行記事追加

 

 

 

 
flight video 3, 4, 5, 6, 7

画像クリックで大画面になるよ!

スペックは基本的に秘密であるが結構重いのです。でも離水は思惑に反しスムース。

ジェーン年鑑から唯一の実機写真:
貴重な資料ですが記事読んでも色がまったく不明でRC機は私が趣味ででっちあげたもの。

歩のためには目的が必要ってわけでフランスのジャック.P.シュナイダーが新たな水上レースを提案した。より速くの航空発展途上1910年代初頭から始まった当レースは300kgのバラストや6時間水上放置など実用性をも試され陸上レースとは一線を画す。陸上機を無理やり水上に改造して登場したドペルデュサンレーサーから始まり、先に製作したカーチスR3Cを経ておなじみスーパーマリンや無冠の最速マッキMC72につながる。
さて、さかのぼる形でレーサーシリーズ4機目はサボイアS21。「紅の豚」に登場する架空の赤いそれはそう呼ばれていた。でもこれは実在したまったくの別機で1921年マッキM7、M19などとと共に参加するはずだった幻のユニーク飛行艇レーサーなのです。
船の肩に置かれた下翼の遥か上方にチョコンとのった申し訳程度の上翼レイアウトは翼間干渉抵抗や揚力損失を意識したのか?更にSVAなどで知られるW型支柱(トラスにすることで張り線を抑え剛性を高めた優れた設計)など人まねは絶対しないという良くも悪くもイタリアン魂を感じる。それにしてもなんでこんなへんてこな機体を設計したのだろう。

複葉だから翼面積は十分と思いきやレーサーですから結構小さく、ゆったり安全に離着水するには心もとないためコードのみ少々拡大、それ以外はほぼ忠実にポピュラーな4st52クラスで再現すべく設計に入った。

3mmシナベニア胴枠はロシアのマトリオーシカのように切り抜けば無駄がでませんがそうはうまくいきません。

・3mmバルサ側板は面倒な2枚構成で微妙な角度の違いによる寸法誤差を計算考慮して切り出す。これで平坦でない深みのある船側面が形作られる。
・応力分散のためバルサ、ベニアにて補強貼りしていく(ステップ部のベニア補強は陸上用車輪取り付けのため)

いつものようにボール紙で翼型作りリブを切り出す(バルサ1.5)

いよいよ棟上、側板は外側を水で濡らして反らせ、ハタガネ、クリップ、ゴムバンドを使って胴枠に慎重に接合。2枚構成の側板上下は計算通りほぼ隙間なく接合できた。満足。
少々のねじれはいつものことで筋交いいれてほどなく修正完了。

下翼の棟上、2枚リブはエンジンマウントにつながるためベニア3部品構成でがっちりと、楕円穴はもちろんエルロンサーボハーネス用

裏側のキールを見る。胴枠ピッチが広く着水の衝撃で底板が割れるかもしれないので少々補強をいれて甲板貼りに備える。

t=1.5バルサリブは前縁でダブルにして実機観をちょっとだけ演出。スパー材は3mmバルサで根元付近は2枚、さらに中央はベニアカンザシ(基本的に張り線、ストラットで強度保持だが重いエンジン搭載のハンドリングを意識)

めんどうでながらも、やり応えのある底板逆Rの甲板張り

やっと貼り終わるとサボイア独特の山から谷になるボトム

内部はこんな感じ、ちょっと曲がってるって

アウトリガーは簡単

やっと生地完成で仮組披露。

上下翼とエンジン部は結合しており、分解できるのは胴体との接合部(M4ビス4本)のみ。従って翼部はかなり巨大になり物流難儀が欠点。
マッキm7など複葉飛行艇タイプはRC化するにあたりどこで分割するかかなり悩むところ。ポピュラーならエンジンマウントと翼中央部を胴体に固定し、左右翼をダウエルにて脱着式にするタイプでしょうが、翼間支柱を飛行のたびに着脱するのがどうしてもいやなのです。

横からみてもえぐいスタイル。エンジン取り付け位置は実機より少々下げてます。少しでも抗力中心に近づけスラスト変化に対応したかったからなのですが、やっぱり実機通りにしたほうがよかったかな?

フライングスケールにしては少々リブ周り凝りすぎ

実機リブピッチを忠実に、羽布張り観を再現した尾翼、動翼。

発泡スチロール簡易型にて製作したFRPフルカウルは凸凹修正とヤグラ(t=2アルミ)取り付けに死ぬほど苦労した。その結果は丈夫ながらとても重いのです。

FRPカウルとエンジンマウント周りを強度気にしつつ合わせ込むのはかなり面倒。この辺は最初に設計したのではなく現物あわせでえいや。

絹張塗装,クリアウレタン仕上げ。

すわ!衝突

どう見ても実際飛ばしてもS21は遅い、1920年代前半、後半の差は歴然でレースにならないが
こんなシーンが実機レプリカでもあったら楽しいのにと思うのは私だけではないはず。