BROWN B-2 Miss Los Angeles

1988

PHOTS RENEWAL  2002.09.03

次大戦前で飛行機といえば発展途上にして確立されていない技術より極めて個性的なものばかり、そんなときメリカの航空熱を高めるべくピューリッツアートロフィーレースが1920年代に始まった。
発動機排気量無制限の周回パイロンレースでGeeBeeレーサーはあまりにも有名なライバル機であるが、1934年トンプソントロフィーで2位を収めた知る人ぞ知る真紅の低翼単葉レーサーがブラウンB2。
ローレンス.W.ブラウンの設計製作による機はメナスコC6S300hp液冷エンジン、全幅5.87m、全長6.05m、自重400kgで当時平均速度350km/hでカッ飛び、華奢でさながらF1のよう。
とある航空雑誌のグラビアに黄色のGeeBee Zと並ぶ真紅のゼッケン33のB2(レプリカでしたが)を見たのが最初で、矩形で法物線を描いた先端を持つ主翼とずん胴な胴体、後退したオープンコクピット、同じく放物線を描く美しいラインの尾翼などRCとして作り易いだけでなくノスタルジックにして華麗。

時大型機ブーム?の先駈けか各社から4サイクル120クラスが発売され中でもスーパーチャージャー付きのYSF120に目が止まった。どんな機体に搭載するか、それなりのスタントもできるようになっていた時期、アクロができる低翼単葉固定脚が適当と考えオリジナルデザインでいこうかとしていたところにB2のグラビアに釘付。
この機体は何物か?当然3面図などなく名前を手がかりにモデルリサーチジャパンへTELで存在を確認、FAX受信図面はあまりにも小さくアバウトなれど貴重な資料(あまりディテールにこだわると完成しないのでこの程度で十分といえる)。


図面は拡大コピーし、まずえいやで全長1470mm(スピナー含まず)と決めると翼面積は思惑に足りず(レーサーだから)例によってスパン、コードともに拡大し54dm2にディフォルメ、翼面荷重は90g/dm2を目標としたが結果として104g/dm2。翼型は実機と違いアクロ考慮で厚翼のNACA0015。
ノスタルジックに羽布貼り感覚を取り入れアクロができて大事なエンジンを壊さぬよう容易な着陸をコンセプトに設計が完了。

10x5ヒノキスパー材、2mmリブに10mm前縁、後縁バルサ材にて主翼を構成し翼端は2.7mm安建材ベニヤにて輪郭形成する初めての工法で楕円翼など複雑なデザインでは工作が楽、但し重量かさむので大型機向き。当初はフラップを想定し(実機にはないが試みとして)翼端側にサーボハウスを設定。前縁はプランクせずリブを2倍とし、尾翼、動翼もリブ組。
胴体はバルサ900mmを継ぎ足すのがいやで建材用3mmX900X1800安ベニヤを肉抜き兼ねスリット状に切り出し羽布感覚を再現。

 

 

脚は5mmピアノ線を主体としてトラスに組込みし0.3tアルミ板で被覆、70mmタイヤを押し込むスパッツはベニヤとバルサで成形、最後に剛性不足のピアノ線を補いサスペンション効果を狙ってテンションバネを中間に挟んだワイヤーでリンク。
エンジンカウリングはFRP成形だがメス型を作らず発泡スチロールのオス型をテープでくるみポリ樹脂、ガラスクロスで固めパテ埋め磨きで仕上げる初めての手法。パテ埋めも十分で無く仕上がりは最悪凸凹、とてもマニアには恥ずかしくてお見せできません。
被覆はドープ絹貼り、ラッカー、クリヤウレタンでアクセントのゼッケンマークなどはシルバーのカッティングシートにて、しめて5600gなり。やはりベニヤの使いすぎか。

 

 

 

 

全長:1560mm
全幅:1900mm
重量:5600g
翼面積:54dm2
ラジオ:4ch、6サーボ〈エルロン2、プラグヒート)
エンジン:YSF120

 

 

 

 

 

めての120クラスはエンジン始動からてこずった。説明書もろくに読まずにいきなりプラグヒートでスターターオン。がりがりいって始動せずはあたりまえで燃料ポンプ付きのYSエンジンではまずクランクケースプレッシャーを高めるべく空まわしが必要なのでした。
エンジンに無頓着ながらもなんとか始動。さすがYSのパワーですごい引き、即尾翼浮上したがグランドループに入ることも無く離陸。オーバル飛行の印象は大型機(今では大型の部類にも入らないでしょうが)のスティックは重い!」いう感じ、スティックが重い分けないのですが多分少々のの風でも細かな微動が無くどっしり飛んでいるからなのでしょう。
旋回は上半角0°で矩形翼のせいかいわゆる巻き込み感(横の自立安定ないため当て舵なしに戻ることがく、ロールが助長されるような錯覚おこす)がありちと怖いが慣れれば差し支え無し。着陸は特に癖無く厚翼効果かそこそこの機首上げ姿勢でも失速せず粘る、サスペンションストロークを使い切ることなく接線着陸にて無事回収。

 

 

その後数回の飛行で慣れロールはもちろんループ、フォーポイントロール、スローロールなど無難?(ループは工作悪でねじれる)にこなすが、考えてみれば久しぶりのまともな平面形の飛行機で、できてあたりまえなのです。というわけで次にまた変なジェット戦闘機みんな知らないユーロファイター2000なんて計画に入ったのでした。