Me163 CometEMeト
      1999


ADD  PHOTOS VIDEO below 2005.02.20


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ドリーでも発進できるが長年の疲労破損で
手投げしか出来なくなってしまった。


VIDEO2


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次大戦末期に登場したドイツ無尾翼ロケット戦闘機コメートは離陸後僅か2、3分で6000m以上に到達し連合軍爆撃機迎撃を目的とした。プロペラ機全盛の時代、最大速度950kmを誇る高性能の代償は僅か5分程度のエンジン燃焼時間であった。まるで一夜の花火のようなはかない機体ながらリピッシュ博士による洗練された無尾翼クリーンデザインは圧巻。
無尾翼機は見慣れないながら、ホルテン兄弟、ノースロップ社、日本では萱場式とその特殊性に着目し取り組んだ人達がいた。詳細はリンクの「全翼機の世界」を見ていただくとして一口には尾翼分部品が少く、軽く、抗力小で済むという理由に他ならない。(本当に抗力小かは設計の如何によりそうだが)その恩恵がピッチング不安定を上回るとき存在価値が発生する。フライバイワイヤー操縦により安定は空力によらず、ある程度作り出せる時代となりノースロップで培われたスパンローダー技術はステルス爆撃機B2で日の目をみた。

 

機製作のきっかけはヒコのおやじさんが海外RC雑誌に載ってたコンバットコメート(気楽に空中戦を楽しむ荒削りなセミスケール)を作るということからちょいスケール観をあげて同じ10クラスでスタート。
RCで無尾翼はピッチングを克服するための通常機よりやや正確な風圧中心を見つけることが飛行成功のカギ。ということで完成間際に重心決定のためのハンドランチグライダーをつくることにして、とりあえずプラモ図面より側面形と翼のテーパー比はそこそこ近いレベルで設計。
翼はバルサ板スパーにコードロンのリブ型をテーパー比近似より流用(本来S字翼型が適当であるが、エレボン面積を大きくとることで手を抜いた)。
胴体はいつもの3mmバルサ側板にベニヤ胴枠、キャノピーは06クラスシンプルキャップ21のものを流用、下面のひれ?は紙でサンドイッチされたスチレンペーパー?(ホームセンターによくあるもの)を切り抜いてブロックとして接着(フィルムは貼りにくかった)。ダリーはこのひれに切り込みを入れはさむだけのシンプルながら飾りではなく、実際に離陸後離脱する(実機のような空中投機はできないが)。
ラダーのないエレボン、エンコンの3chながらエレボンに差動を付け(上げ舵大)ることで左右抗力差を利用するわゆるドラッグラダーの目論見。
被覆はドイツ必死の実験中コメートよろしく赤でシンプルに〆て700g

全長:620mm
全幅:1000mm
重量:700g
エンジン:ENYA11CX(ミュート付きマフラーで消音抜群)
ラジオ:3ch、エレボンミキサー使用
      (20gサーボ2個、10gサーボ1個)

 

 

 

 

リンケージはミキサーをレシーバーとサーボ間にセットしエレボンはシンプルにまとまった。
見にくいがサーボホーンはニュートラルで90度より傾いている。これがアップ、ダウンの差動を与える。

 

 

 

ねじり下げが与えれた翼。エルロン材は1枚板からねじりながら削りだし、主翼のねじり下げよりもさらにねじりあげ、ピッチアップを翼端で司る。
翼端失速防止と揚力損失極小、抗力減少をねらいモーメントのとれる翼端のみでピッチアップを図る常とう手段。

 

 

 

 

中央が着陸時の隠し車輪。サイドは離陸時のダリーで、もちろん外れる。
重心位置は厚紙で作ったハンドランチグライダーを気の済むまで飛ばし決定、それでもプロフィールだけのぺったんこ胴体なので胴体から発生する揚力での風圧中心ずれは予測できない。

 

 

 

 

 

飛行は2000、1、23。   

飛行場へ着くと既にヒコのおやじさんのコンバットコメート(本人は秋水のつもり)が飛んでいる。しかも安定し、ロール、ループも問題なし。先週の初飛行、離陸後の第一旋回でのスピン墜落がうそのよう。実は重心を前進させ、主翼前縁外側にスロットを後付けしたのでした。旋回でスピンはテールヘビーに見られる現象で、更に翼端失速(ねじり下げは設定されていなかった)を考慮してのスロットは効果あったと考えよう。本当かな、そのうちスロットふさいで実験だ。
さて私の朱色コメートはこっそり、いや見え見えでおやじさんの緑秋水の重心をチェックし、バランスウエイトを前部にちゃっかり固定し(結果的にこのウエイトはなくても問題ないことを後に確認)、いざエンジンスタート。
5年以上はまわしてない11CXはスターターでなんとか始動、当時の甲高いエンジン音でなく意外とマイルド、新しいミュート付きマフラーは効果大だ。仮の飛行場故、ダリーを使っての離陸は断念し、手投げをおやじさんに託す。
フルスロットルで投げるとスティック操作なしで沈下なし緩上昇をはじめる。エルロントリムは不要でいいかげんな設定の割にうまくいった感。魔の第一旋回はいとも簡単にクリヤ、加速がつくにつれ上昇は止まらずエレベータートリムフルダウンにするが足りない。仕方なくスロットルを幾分絞るが、軽さ故余裕のパワー、それにしてもこれほど直進安定のよい機体は初めて。予想された無尾翼の敏感なピッチングとは無縁に初飛行で地上1mのローパスそしてループ、ロールを難なくクリヤ。不測のエンスト後大きく旋回し着陸体制、かなり速いがこれもグッド、雪の残る泥地面へ接地、結構滑る、転倒することなく停止し事無きを得た。
ロールレートが速いことを除けばとても素直、再度リンケージを修正して余裕の飛行アピールで皆さん欲しそうでした。そのうち増殖するかも。やはりゲテモノやるとやめられない。

PS

2002.2月ダリーでの離陸に成功。実機のように浮いてしばらくして投下とは行きませんがそのアクションが見なれないので楽しい、しかもドラッグラダーは結構効くのでした。
それにしても離陸後いつのまにか遠くへ置いてきぼりされたダリーを回収して下さる皆さんありがとうございます。ウム・・単に次の離陸の邪魔ということか?

 

飛行前の記念写真
左がヒコさん、右が私中央はあれれ?通りすがりのオジさんです

 

 

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